私立大医学部の再受験のメリットは?寛容な大学や攻略法なども解説
医学部は難関学部であることや医師という職業になることができるため、再受験生も非常に多いです。そこで今回は、私立医学部再受験のメリットや寛容な大学、効果的な攻略法を解説します。難易度や受験科目、併願の利点を紹介し、学費や奨学金情報もまとめていますので、私立大医学部の再受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
私立医学部再受験のメリット
私立医学部再受験のメリットについてご紹介します。
国公立との比較して難易度が下がる場合がある
国公立医学部の学費は年間約360万円かかりますが私立医学部に比べると、非常に学費が安いため、倍率が高くなる傾向があります。私立は国公立と比較すると、学費が高額であるため倍率が低く、難易度が下がる可能性があります。また、大学入学共通テストが国公立では必要になり、受験科目も文系科目などもあるため、勉強時間を多く共通テスト対策に費やす必要があります。さらに大学入学共通テストで高得点を取らなければ、合格は厳しくなりますが、私立医学部にはその必要がなく難易度は比較的低いといえます。
受験科目の選択肢が広がる
また、受験科目の選択肢が広がることも考えられます。英語・数学・理科2科目と私立医学部では理科の受験科目を選択するため、受験科目を自分の得意科目に設定することができます。そうすることで、高得点を獲得し、合格に繋げることができます。また、大学ごとに受験科目の範囲は定められているため、国語の受験が可能な場合や数学が必要でない場合もあります。そのため、大学ごとの試験範囲や募集要項を読んでみましょう。
併願のチャンスが広がる
私立医学部の併願を受けることでチャンスを広げることもできます。国公立大学は前期・後期の2回と決まっています。さらに、後期試験を実施している医学部は多くはありません。そのため、前期の一回で決め切らないといけないことになります。私立医学部であれば、複数の大学を受験できることに加え、同大学を様々な方式で受験することができます。合格することのできる学力を持ち合わせることも必要ですが、試験当日のコンディションや出題問題との相性などで、うまく力を発揮できないこともあります。また、志望校の前に他大学を受けておくことで試験会場の雰囲気に慣れ、落ち着いて挑むことができるかもしれません。
再受験に寛容な私立医学部ランキング
続いて再受験に寛容な私立医学部ランキングをご紹介します。
「とても寛容」な大学トップ5
順位 | 大学名 |
---|---|
1 | 川崎医科大学 |
2 | 岩手医科大学 |
3 | 久留米大学 |
4 | 東北医科薬科大学 |
5 | 帝京大学 |
川崎医科大学は、この中でも再受験生に非常に寛容であるといわれています。受験者は浪人生・再受験生でほとんどを占めており、その結果、合格枠は浪人生と再受験者で取り合うという状況になっています。また、トップ5は22歳以上の合格者が合格者総数の内10%以上ある大学です。その他にも金沢医科大学、福岡大学、東海大学、北里大学が再受験生にとても寛容です。再受験生の合格率が高い場合、再受験生に寛容な傾向があります。合格率が高い大学は、再受験生を受け入れる体制が整っており、再受験生に対して不利な扱いをしないことが多いです。このような大学では、再受験生に対して理解があり、受験生としての実力がしっかり評価されることが一般的です。
「寛容」な大学トップ5
順位 | 大学名 |
---|---|
1 | 近畿大学 |
2 | 関西医科大学 |
3 | 聖マリアンナ医科大学 |
4 | 獨協医科大学 |
5 | 国際医療福祉大学 |
これらの大学は非常に寛容とまではいえませんが、寛容な大学です。再受験生でも気にせずに受験することができるでしょう。その他にも大阪医科薬科大学、藤田医科大学、愛知医科大学が再受験生に寛容な大学です。再受験生にとって寛容な大学を選ぶ際には、年齢制限が緩い、入試の形式が柔軟である、再受験生を積極的に受け入れる姿勢がある大学を選ぶと良いでしょう。また、社会経験を評価する大学や、再受験生向けのサポート体制が整っている大学を選ぶことが、合格への道を切り開くポイントです。自分のライフスタイルや学力、受験に向けた戦略に合わせて、最適な大学を選びましょう。
避けるべき大学リスト
再受験生が避けるべき大学は、いくつかの要因を考慮する必要があります。特に再受験生にとって、学力や精神的な負担、入試制度などが重要なポイントとなります。今回は、再受験生の割合が少ない大学についてご紹介します。自治医科大学、慶應義塾大学、順天堂大学、日本医科大学、東京慈恵会医科大学、昭和大学です。これらの大学は現浪比が非公開である場合や、毎年一定数は再受験生がいますが、現役生・一浪生が合格者の大半を占めています。再受験生の合格率が圧倒的に少ない傾向が続いているため、できるだけ避けて受験したほうが良いでしょう。再受験生が医学部を目指す際、重要なのは「自分のペースで学び、合格するために最も効果的な大学を選ぶ」という点です。競争が激しく、年齢制限やカリキュラムが合わない大学は避け、より自分の状況に適した大学を選ぶことが重要です。また、再受験生が多く受験する大学や、サポート体制が整っている大学を選ぶことで、合格の可能性を高めることができるでしょう。
私立医学部再受験の攻略法
次は、私立医学部再受験の攻略方法について紹介していきます。
効率的な学習計画の立て方
再受験では、有効に時間を使うことが重要です。まず、志望校ごとの入試科目と出題傾向を把握し、優先順位を付けましょう。平日は短時間で集中できる科目(例:英単語や計算練習)を、休日は長時間必要な科目(例:模試や演習問題)を行います。模試を定期的に受け、現状を把握しつつ計画を見直しましょう。また、暗記系と理解系をバランスよく配置し、疲労を防ぎます。学習管理アプリやスケジュール表を活用して、進捗を可視化することも有効です。
科目別対策のポイント
次は、科目別対策のポイントについて紹介していきます。
英語
医学部入試では長文読解が多く出題されるため、速読力を鍛えることが重要です。まずは基礎単語と文法を徹底的に固め、正確な読解力を身につけましょう。 医学部受験の英語では、医学英語を理解するために英単語帳を使って毎日少しずつ語彙を増やすことが重要です。その後、志望校の過去問を分析し、出題傾向に合わせて長文問題や英作文を重点的に練習します。特に医療に関連するテーマの長文を読んでおくと、面接対策にも役立ちます。
数学
数学では、計算力と問題のパターン認識がカギとなります。基本的な問題集で基礎を固めた後、志望校の過去問で頻出分野を把握し、類題を繰り返し解くことが大切です。その際には計算力を上げるため、問題を解くスピードを意識しておきましょう。また、微積分や図形問題など医学部特有の問題傾向に注意し、応用力を鍛えましょう。問題を解いた後は解説を熟読し、なぜその解法を選ぶのかを理解することを心掛けます。
理科(物理・化学・生物)
理科では、暗記と計算がバランスよく求められます。物理は公式や法則を理解し、問題に即座に適用できるようにする必要があります。力学や電磁気学、波動などの基本的な概念をしっかり押さえ、問題演習を行いましょう。化学は実験や反応式を理解することが大切です。特に、酸・塩基や化学平衡の問題は出題頻度が高いので、しっかりと理解しておきましょう。生物は暗記の科目が多いですが、単に暗記するだけでなく、その背後にあるメカニズムや論理を理解することが重要です。特に、遺伝や細胞分裂、免疫の部分はしっかり押さえておきましょう。
面接対策のコツ
面接は志望理由や人間性を問われる場です。まず、なぜ医学部を志望するのか、自分の経験や価値観と結びつけて論理的に説明できるように準備しましょう。特に再受験の場合、過去の選択や再挑戦の理由について、納得感のあるストーリーを構築することが大切です。また、医療ニュースや社会問題についても意見を述べられるよう、日々情報収集を心掛けます。模擬面接を繰り返し行い、表情や態度にも気を配りましょう。
学費と奨学金
次は、学費と奨学金について紹介していきます。
私立医学部の学費の目安
私立医学部の学費は6年間で約2000〜4000万円程度が一般的です。初年度には入学金や施設費などで500〜1000万円が必要で、年間授業料は300〜600万円ほどかかります。学費には授業料のほか、実習費や教材費が含まれており、追加費用が発生する場合もあります。大学ごとに金額は異なるため、志望校の公式サイトや資料で詳細を確認しましょう。高額な費用がネックとなる場合もありますが、奨学金や学費免除制度を活用することで、負担を軽減することが可能です。志望校の学費体系や制度を事前に調べ、計画的な資金準備を進めることが重要です。
利用可能な奨学金制度
私立医学部生向けには、さまざまな奨学金制度が用意されています。大学独自の奨学金では、成績優秀者や経済的支援が必要な学生を対象に、学費の一部または全額を給付する制度が多いです。「日本学生支援機構」の奨学金は全国で利用可能で、無利子(第一種)と有利子(第二種)が選べます。また、自治体や医療機関の奨学金は、卒業後に地域医療での勤務を条件に返還が免除されるケースもあります。さらに、民間財団の奨学金では、給付型の奨学金を提供している場合もあるため、複数の制度を比較し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
学費負担を軽減する方法
私立医学部の学費負担を軽減するには、奨学金の活用が有効です。特に、返還不要の給付型奨学金を優先的に検討しましょう。複数の奨学金制度を併用することで、負担を大幅に減らせる場合があります。また、自治体や医療機関の奨学金を活用すれば、返還免除条件付きで学費をまかなうことが可能です。さらに、教育ローンや大学が提供する分割払い制度も選択肢として検討できます。高得点で入学試験を突破し、大学独自の学費免除制度を利用することも負担軽減につながります。計画的な資金管理や早めの情報収集が重要となります。
再受験成功者の実例
ここでは、再受験成功者の実例を紹介します。Aさんは高校卒業後、地元の短大文系学部を卒業し、地元企業に就職しました。仕事をしているうちに、人の役に立つ仕事に興味を持ち、医師を目指すことを決意したAさんは、学士編入の選択肢が少なく、再受験を決めました。理系の学問から遠ざかっていたため、最初は何を勉強すればよいか全く分からず、予備校に通うことになりました。予備校選びには、色々な医学部専門の予備校を比較し自分に合ったものを選びました。入学当初は指示された課題をこなし、分からないことはすぐに質問しながら教材を繰り返し学び、謙虚に講師の指導を受けました。冬には模試でB判定を取り、本試験でも合格できました。再受験は覚悟と努力が必要で、年齢や社会人経験が有利には働かないことを実感したAさんは、再受験を目指す方は十分な覚悟を持って挑んでほしいと思っています。
まとめ
私立医学部再受験には、国公立よりも難易度が低く、受験科目の選択肢が広がるメリットがあります。
また、私立医学部では併願の機会も増え、受験のチャンスが広がります。再受験に寛容な大学も多く、学費や奨学金制度を活用することで経済的負担を軽減する方法もあります。
効率的な学習計画と科目別対策が成功への鍵となり、再受験生には覚悟と努力が求められます。自分に合った予備校やサポートを選び、計画的に進めることが重要です。